フランスバスクの南にある、港町St Jean de Luz。別名、バスク語でDonibane Lohizune。
人口わずか1万3000人の小さなこの町、スペインの国境からはわずか15km。サンセバスチャンからの小旅行にもぴったりです。
サンジャンドリュズの町の名を一躍有名にしたのは、疑いもなく、あの有名なフランスの太陽王、ルイ14世とスペインからの王女マリア・テレサの1660年6月9日に、このサンジャンドリュズの教会、San Juan Bautista教会で行われた結婚式でしょう。あのベルサイユ宮殿の建設を始めた王の結婚式会場としては、ちょっと控えめな印象を受けますが、それまでのスペインとフランスの30年戦争直後の、スペインの王女をお嫁にもらう、という政治的背景においては、当時スペインの国境に一番近い町であったサンジャンドリュズは都合がよかったのでしょう。豪華絢爛という感じではないですが、木のぬくもりを感じられるこの教会、一見の価値ありです。
またサンジャンドリュズの魅力はそれだけにとどまりません。夏場は海水浴に最適な、比較的波が穏やかな白砂のビーチや、地元の食材が集まるLes Hallesーマルシェも必見。バスクの銘菓 Gateau Basque (ガトーバスク)から、新鮮な魚介類、フランスならではの、チーズやバターを初めとした乳製品、色鮮やかなお野菜や、チョリソ・フォアグラなどお土産にも重宝しそうな品まで色々そろっています。マルシェは定休日はないですが、13時以降は閉店してしまうのでご注意を。
さらに、今だフランスバスクの重要な漁港の役割を果たしているサンジャンドリュズの漁港も、ヨーロッパらしいかわいらしい色使いの漁船が並び、その漁港の脇には、先ほどお話ししたルイ14世のお妃さまとなったマリアテレサが当時宿泊したという、「マリアテレサの館」と呼ばれている当時の建物も隣接しています。
そして、サンジャンドリュズと言えば、ガンベッタ通り。歩行者天国になっており、「ルイ14世の館」がある「ルイ14世広場」から始まる約350mほどの小道には、バスク織のショップや、これまたバスク伝統の靴、エスパドリーユ専門店、またルイ14世の結婚式の際の贈呈品として招待客にふるまわれた「元祖 バスク風マカロン」で有名な”Maison Adam”など、バスクのオリジナルグッズを販売するお店が所せましと並んでいます。