スペイン語でパンプローナ(Pamplona)、またはバスク語でイルーニャ(Iruña)は、人口約19万人の、ナバラ州の州都です。
パンプローナと言えば、毎年7月6日~14日にかけて開催される、サン・フェルミン祭(牛追い祭り)が有名です。このお祭りは、日本からも多くの参加者が訪れる、バレンシアの火祭り、セビリアの春祭りに続いて、スペイン三大祭りの1つになっています。今日でも、世界中の観光客を虜にしているこのお祭り。そのきっかけを作ったのは、アメリカの作家、アーネスト・ヘミングウェイでしょう。彼がこのお祭りに関して書した、「日はまた昇る」(1926年)で一気に英語圏をはじめ世界中の注目を集めることとなり、近年ではこのお祭りを一目みようと、このお祭り期間に約100万人の観光客が訪れるようになりました。
しかしパンプローナの魅力はこのお祭りだけにはとどまりません。そもそもパンプローナの町の名前の由来は1世紀頃にローマ帝国の将軍ポンペイウスがヒスパニア遠征の駐屯地として定め、ポンパエロ(Pompaelo)と名付け、それが訛り、現在の都市名パンプローナ(Pamplona)になったといわれています。パンプローナ盆地の谷の中にあるこの立地は、昔からリオハ地方にもつながる重要な川、エブロ川支流のアルガ川が通っており、東西と南北の道路が交差する十字路にあり、昔から様々な文化や民族の交流、そして衝突が絶えることがありませんでした。更には9世紀頃からはサンティアゴコンポステーラの巡礼の宿場町としても栄え、多くのフランス人もこの町に移り住んだのでした。
この昔から多文化が共存してきたこの町だからこそ、パンプローナの人々は非常にオープンで気さくな人が多いのかもしれません。平日の午後や、週末になると、「パンプローナのバルコニーと」呼ばれるPlaza del Castilloには、老若男女、国籍問わず、多くの場所が集まり賑わいをみせています。