モダンでアーティスティックな街、ビルバオ(Bilbao) 。バスク州、ビスカイヤ県の県庁。人口38万人前後で、バスク地方で最も大きな都市です。都会でありながら、ビルバオの街を散策していても、あの大都会のもつ雑然とした雰囲気が、そこには存在しません - 高層ビルと呼べるものも数えるほどしか存在しないのに、どうも「未来都市」といった印象をもたらすー近未来のSF映画の舞台に度々抜擢されるのもうなずけます。
都市再生プロジェクトの中で、最も成功した例の1つとして注目を集め、世界中から「第二のビルバオ」を目指す、政府関係者や建築家達の視察が絶えることがありません。 現在だからこそ、ビルバオとサンセバスチャンは2大スペインバスク観光都市として競い合っていますが、21世紀に入るまでは、バスク地方の観光地といえば、美しいラコンチャ湾をもつサンセバスチャンの独壇場であり、ビルバオは、重工業の工業地帯でしかありませんでした。 しかし、1980年代に、従来の産業基盤が崩壊し、行政側は何らかの手段を講じざるを得ず、そこで生まれたのが「ビルバオ都市再生プロジェクト」。それまでの重工業の繁栄のおかげで、財政力があった行政側は、グッゲンハイム美術館の建設費1億ドル(100億円程度)を全額負担したほか、このビルバオ都市再生プロジェクトに15億ドルを投じたとも言われています。この際に建築された建物はどれも世界の有名建築家が手掛けており、街全体が「美術館」のように、大変身したわけです。 ビルバオ・世界の有名建築家が手掛けた作品 ○グッゲンハイム美術館(Guggenheim Museum)―建築はフランク・O・ゲリー。1997年開館。 ○ビルバオロイウ空港(Loiu Airport)―日本人にも便利なこの空港。翼を広げたような形が美しい。バレンシア出身のサンティアゴ・カラトバの作品。2000年に完成。 ○スビスリ橋(Zubi-Zuri)―同じくサンティアゴ・カラトバの作品。白い鉄とガラスを使った、湾曲した独特のデザイン。97年に完成 ○ビルバオ展示場(Bilbao Exhibition Center)―バスク人の建築家、セサル・アスカラテの作品。04年。 ○エウスカルドゥナ(Euskalduna Congress Center)―スペイン人の建築家、フェデリコ・ソリアノとマリア・ドロレス・パラシオスによる、国際会議場とコンサートホール。1999年。 ○スビアルテ・ショッピングセンター(Zubiarte)―アメリカの巨匠、ロバート・スターンの作品。04年。 ○アルオンディガ文化スポーツセンター(Alhóndiga)―建築家、リカルド・パスティダの作品。もともとワイン倉庫を改装。現在ではビルバオ市民の文化とスポーツの総合施設。入ると上に浮かぶ屋内プール。活気あふれる新しい市民の憩いの場となっている。 ○磯崎ゲートー日本人建築家の磯崎新さんの作品。スビスリ橋から続く22階立てのツインタワー・ ○ビルバオ・メトローこれによって、ビルバオ内の移動が便利になったのは言うまでないが、地上からの入り口も注目したい。イギリスの建築家ノーマン・フォスターの作品。95年に運行開始 ○ビルバオ美術館―1908年に創設された。抽象アートが並ぶグッゲンハイム美術館とは対照的に、スペインや、他のヨーロッパの15世紀から17世紀の絵画が約6000点。建築家はルイス・ウリアルテを中心にした4人。
またビルバオ郊外には、2006年に世界遺産に登録された、ビスカイヤ橋に是非足を延ばしてみることをお勧めします。
そして近年はガストロノミーでも進化が凄まじい。○Azurmendi(3つ星)ビルバオ市内から車で15分ほど。自慢の庭園で始まるガストロノミーのエンターテイメント。○Mina(1つ星)ビルバオ市内にある1つ星レストラン。○Ola Martin Berasategui(1つ星)名前の通り、サンセバスチャンで3つ星をもつMarin Berasateguiが手掛けたレストラン。2019年4月にビルバオ旧市街にあるTayko Hotelに隣接してオープン。○Zortiko(1つ星)ビルバオ市内にある1つ星レストラン。○Etxanobe Atlier (1つ星)こちらもビルバオ市内。よりカジュアルなスタイルのLa Depensa del Etxanobeが併設されておりそちらもおすすめ。○Eneko Bilbao(1つ星) ビルバオ郊外の3つ星レストラン、そして日本の西麻布にもEneko Tokyoをオープンした若手シェフのレストラン。○Nerua(1つ星)グッゲンハイム美術館に併設されているレストラン。○Zarate(1つ星)ビルバオ市内にある、魚介が自慢のレストラン。
<2020年更新>